Kathmandu,Nepal
Chinnamasta

 ネパール好きの人ならば、チャングナラヤン寺院(Changu Narayan)をご存じであろう。世界遺産にも登録されているネパールのナラヤン神(ヴィシュヌ神の化身)を祭った寺院である。ここは喧噪のカトマンズから離れた山の中にあり、カトマンズ盆地を上から見下ろすにはちょうどいい。ネパールの人はきっとここに王都カトマンズを天から見守ってくれるよう寺院を建てたであろう。
 このチャングナラヤン寺院では春にチンナマスタ(Chinnamasta)と呼ばれる祭りが行われる。チンナマスタとは断頭女と訳され、名前のとおり血生臭い祭りである。多くの生贄の動物が運ばれ神に捧げられる。しかしそれは生きるために動物に屠るという本来当たり前の生活と裏腹のような気がする。現代人においてはちょっと目をそむけたくなる祭りではあるが、ヒンズーの神への信仰心(古代ではヒンズーやイスラムに限らず生贄というのはよくあった)というのを肌で感じた瞬間でもあった。