鼓楼建築で有名な肇興。肇興を中心に龍がシンボルの龍図村、素朴な生活を送っている紀倫村を訪れた。彼らトン族は釘を一切使わずにしてこれらの建築を行ってきたという。それゆえ、彼らの木造建築技術はとても高く、「木の民」と呼ばれる。
しかし緻密な構造を誇る、鼓楼には、専門の絵師によるものではないような絵が描かれ、実に人間くさい生活観が見える。したがって自分には鼓楼というのは専門職のものではなく村人みんなで作り上げたものという印象が強い。
真意のほどは定かではないが、この鼓楼には村人が寄り集まり、世間話に夢中だ。鼓楼は村人みんなの心の中にもそびえたっている。