カシュガイ族
(Qashqai)
Shiraz(Iran)

 シラーズの近郊には少数民族、遊牧民であるカシュガイ族が住んでいる。色鮮やかな衣装を身にまとった彼女達の姿はとても興味深い。撮影なら是非遊牧民ならではテントを訪れよう、と計画した。
 出発前にドライバーは近くのマーケットで鶏肉を購入。つまり、カシュガイ族とチキンバーベキューをするというプランだ。彼らは普段、羊やヤギを食べているので、普段食べないチキンはきっとご馳走に違いない。チキンのご馳走がよかったのか彼らはあたたかく歓迎してくれた。なかなか日本人には知ることができない彼らの生活は実に遊牧民ならではシンプルな生活であった。
 しかしそんな遊牧民の生活にも最近は変化が起きているらしい。遊牧民であっても車は長距離の移動で便利なため、車を所有するグループが出てきているということだ。どうやら家畜や絨毯(ギャッベ)を売って現金収入を得て、そのお金で車やガソリン代を購入するようだ。そのような変化があったとしても日本人から見れば、必要なものしかない生活は実に素朴で人間の原点を感じさせるものであった。