Pakistan

 

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 チトラル近郊のカラッシュバレーには「黒衣の民」と呼ばれるカラッシュ族が住んでいる。彼らはどことなくヨーロッパ系を思わせる顔立ちの人もいて、明らかに一般のパキスタン人とは異なる容貌だ。一説にはアレキサンダー大王の兵士の末裔とも言われるようだが、確かではないらしい。
 Birir、Bumburet、Ramburの三つの谷に住んでいるということなので、三日ほど滞在しそれぞれの村を見て回った。谷は違えど服装で大きな違いというのはあまりないようだ。しかし村の規模、店はかなり違う。最も大きいBumburetには宿泊施設などがありそれなりに過ごせるのではあるが、Birirでは電気さえままならないような感じであった。
 近代化の波とは無縁な黒衣の民族衣装に包まれたその生活は、牛を追い、畑を耕し、自給自足に限りなく近い昔の姿を今に伝える。